幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
そして今、美夜はカイの車に乗って自宅へと向かっている。友達の家に泊まると連絡したが、あれの直後だったので変に疑われたのか物凄い数の着信があった。全て無視していたが。
(カイさんは何も心配いらないって言ってたけど)
カイを信じてないわけではない、だが何も教えてくれないので一抹の不安があるのだ。
自宅近くの駐車場に車を停め、2人で歩く。カイは今日もきっちりとスーツを着込んでいる。そのスーツの下に隠された肉体を知ってしまった今、妙に変な気分になってしまう。
(私こんな変態だったの…!)
自分の嗜好に密かに絶望する。頬を赤らめた美夜に気づいたカイはニヤリ、と笑う。
「何で顔赤くなってるんだ?ああ、もしかして思い出した?」
急に身を屈め、美夜の耳元に口を近づけると。
「意外といやらしいよな、昨日も俺に必死にしがみついて」
「わー!」
とんでもないことを耳元で囁かれ、耐えられなくなった美夜は叫ぶ。これから大事な話をするのに、カイはこちらは揶揄ってばかりだ。
「…もっと大人な人かと思ってました」
「好きな子には構いたい性質なんだ、理想と違った?」
「いえ…カイさんのことを知るほど…す、好きになってます」
ただのバイトと常連客のままでは知り得なかった彼の新たな一面…まだまだ知らないことがたくさんあるだろう。けど好きになるのとはあれど、幻滅することはあり得ないと分かっている。
「…」
カイは食い入るように美夜を凝視すると、大きく息を吐いた。
「…終わったら朝まで抱き潰すから覚悟しておけ」
「なんで!」
理不尽な宣告に美夜は悲鳴をあげた。理由を問いただすも、カイは決して教えてくれなかった。