幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。

聞くに耐えない罵倒を続ける和樹から美夜を守るように、カイが前に出る。

「…美夜が怖がってる。その高圧的な態度を辞めて、うるさい口を閉じてくれないか?」

ゾッとするほど冷たく怒りの滲む声で威圧するカイを前に和樹がさっきまでの勢いを無くし、たじろいだ。明らかに格上だと分かる相手には強く出られないのだ。何とも分かりやすい。

「な、なんだよあんた。俺は美夜と話が」

「初めまして、俺は清宮海斗。美夜の彼氏」

「き、清宮ってあの清宮!?それに彼氏?おい、美夜どういうこと」

「だから、その態度をやめろと言ってる。ずっと美夜に横柄な態度で接し、自尊心を傷つけ続けたのか…君のそれは生まれ持った性質かな?全く大したものだ」

明らかに馬鹿にしたカイの言い草に和樹の顔が真っ赤に染まる。

「…もしかして親父に色々吹き込んだのあんた?余計なことしやがって、あんたのせいで俺は後継者から外されたんだ」

「俺を責めるのはお門違いだ。全て身から出た鯖だろ?1人の女子を徹底的に貶め、侮辱するような人間が企業のトップになったとして、いずれ取り返しの付かない問題を起こす。寧ろ感謝されるべきことをしたと思ってるよ」

「っ…!そもそもなんで清宮の人間がしゃしゃり出てくるんだよ!…もしかしてそいつか?はっ!あんたみたいな何でも持ってる人間は好みが変わってるんだな?そんな地味で、言いたいことも言えない癖に身の丈に合わないことばかりして、結局恥かいてるような馬鹿な奴のどこっ、ひっ!」

和樹の顔が青ざめ、ガタガタと震え出す。見てるこっちが可哀想になるくらいの怯えようだ。
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