〜ミミコイ〜ミミから始まる10秒間

39~41話

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【Ch.39】


静寂な空気の中で
自分の声が部屋に響く

ようやく私は
決意して口を開く


「り、くっ」

「もう1回」

「り、く……」

「もう1回」

「りくっ!」

「よく言えました いい子いい子。
これからも頑張って呼んでね」

そう言って満足そうに
私の頭を撫でてる推し

何か違和感を感じる……

あれ?
なんだ……これ

こんなの
やっぱり私達って
実は付き合ってる?

正直……推しが
私を気に入ってくれてるとか

空さんの発言から
ちょこちょこ思う所はあったけど

私が推しに好かれるなんて
善良的なファンとして
そんな事あっていいわけないし

いや、もうすでに私は
同担への裏切りを
何回も犯してないだろうか?

そもそも私って
天川りくの演じるキャラが好きなの?

それとも……
本当に天川りくが好きなの?

分からない……
分からないよ

天川りくが好きなら
色々と大問題だ

同担への数々の裏切りに
人気声優に一般人が
手を出して炎上するかも……

それに私は
また捨てられるのが怖い。

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【Ch.40】


まいちゃんに
連絡したいけど

今の状況じゃ無理すぎる……

よし、うん
とりあえずこの件は保留にしよう

今はこの場を
何とかやり過ごさなきゃ


「あの……とりあえず
乾燥が終わってると思うので
装備を身に付けてきてもいいですか?」

「装備って……
あははははっ

本当に
ほたるちゃんは面白いよね。

はい、どうぞ
でも別にそのままでもよかったのに」

「からかわないで下さいっっ!」

推しの両腕から解放されて
すぐさま脱衣所へ駆け込み
下着姿と自分の服に着替える

本当にこの人は
どんなに私をからかえば気が済むんだ

下着姿で
戻ってこいなんて……

普通にやっぱり
付き合ってないと無理でしょ?


「あ、そうだ……
空さん大丈夫かな」

着替えで逃れられたついでに
まいちゃんに事情をLimeして
空さんにフォロー入れてあげてもらわないと

あと……ちょっと
りく様の件で相談したいです、と

ササッと連絡を入れて
推しの元へ戻ると


「り、りくっ
なんで脱いでるんですか?」

まだちゃんと
呼ぶのは恥ずかしくて
たどたどしいけど、なんとか呼べた。

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【Ch.41】


「あ、ちゃんと呼べたね。

俺シャワー浴びてくるから
ほたるちゃんはゆっくりしてて」

「え、あ、はい……」

シャワーを浴びに
向かった推しを後に

細身なのに
引き締まった体してたなぁ……

あ、違う違うっ
こんな事考えないの!

てか、明日デートなのに私
まさかこんな事になるとは思ってなくて

メイク道具も
お直しくらいのメンバーしか
連れてきていないし

服もせっかくまいちゃんが
あんなに用意してくれたのに
このままだし……洗ったけど

推しといれるのは
嬉しいけど

やっぱり1回帰りたいな。

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