策略に堕ちた私
 社長がスマホを操作すれば、声が聞こえてくる

『わー、社長のお肌つるつるー、本当に二十代だったんだあ!』
『ちょっと山田さん、ほっぺた触るの、やめて』
『お腹も見たいー!』
『や、やめて。ボ、ボタン、跳ぶから』

 これ、私と社長の声?
 固まっている私に社長が言う。

「仕方なく家に連れて来てからの音声がこれ」

『うわー、ここが社長の家かあ。まどひろーい。東京タワーが見えるー。うわー、べっどふかふかー。社長もこっちに来なさいよー』
『ちょっと、待って』
『わー、お肌、つるつるー』
『押し倒さないで』
『わー、お肌、ピチピチー』
『や、破らないで』

 ビリビリと避ける音がする。
 もしかして、私が社長のシャツを破っちゃった?
 そう言えば視界の隅の絨毯に、破けたシャツが落ちているような、気が、す、る……。

『うわー、社長の胸もお腹も、さわりごこち、サイコー』
『ちょっと、ジッパー下げないで』

 あかん、ズボンまで脱がせてますやん……。

『わー、これ、海の生き物図鑑で見たやつだー。わあ、ゆらすとぶるんぶるんしておもしろーい』

 大事なもので遊び倒してますやん……。

『うわー、だんだんおっきくなってくー。なめたらいいんらよね?』
『ちょっと、や、やめて』
『……ひゃら、おおきすぎて、口にはいんらい……、ひゃ、かたくて、おっきい………』
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