策略に堕ちた私
次の休日、社長からの誘いを断った。基本、不動産業の休日は平日なので、婦人科も開いている。
「珍しいね、用事あるの」
「珍しいですか、そうですか」
どうせ休日には家でごろごろしていただけの人間です。社長とセフレになる前は。
「何の用事?」
「女子校時代の同窓会です」
出まかせをすらすらと言えるようになったのも仕事のおかげ。
「送迎しようか」
「社長を足には使えません」
「気を付けて」
「はい。社長は何をするんですか」
「馬を見に行こうかな」
私は社長の顔を見た。社長は競馬からは程遠いイメージだ。まさかの赤鉛筆おじさんだったとは。
かと思いきや、そっちじゃなかった。
「馬場に出ようかな、と思って」
「まさか選手……?」
それでその筋肉なのね、と思えば。
「乗馬だよ。乗馬クラブ」
「なるほど」
とてもしっくりくる趣味だった。さすが御曹司。
ブレザーにヘルメット姿は似合うだろうな。つい、その姿を想像してしまう。
白馬に乗った社長は王子さまみたいだろうな。勇ましい顔でお姫さまを迎えに行くんだろうな。
どういうわけか、鼻の奥がツンと来そうで、妄想をストップする。
「これでもコネチカット州の大会では優勝したこともあるんだよ」
「コネチカット……」
「俺はアメリカの大学を飛び級で卒業してる。これでも経営学修士だ」
「ほう」
なるほど、それで社長就任時に未成年だったのね!
「本当に山田さんは俺のことを知らないんだね。少しは俺に興味を持って」
「そう言われましても」
「くっ」
そこで社長はまたがっくりを肩を落とした。
だから、何でよ。
これでも少しは社長に興味が出てきたんだから。
婚約者はどんな人なんだろうとか、美人なのかとか、私みたいに遠慮なく抱きつぶしてるのかとか、大切すぎて手も出していないのか、とか。
考え始めると止まらなくなるから、すぐに別のことを考えるけど。
「珍しいね、用事あるの」
「珍しいですか、そうですか」
どうせ休日には家でごろごろしていただけの人間です。社長とセフレになる前は。
「何の用事?」
「女子校時代の同窓会です」
出まかせをすらすらと言えるようになったのも仕事のおかげ。
「送迎しようか」
「社長を足には使えません」
「気を付けて」
「はい。社長は何をするんですか」
「馬を見に行こうかな」
私は社長の顔を見た。社長は競馬からは程遠いイメージだ。まさかの赤鉛筆おじさんだったとは。
かと思いきや、そっちじゃなかった。
「馬場に出ようかな、と思って」
「まさか選手……?」
それでその筋肉なのね、と思えば。
「乗馬だよ。乗馬クラブ」
「なるほど」
とてもしっくりくる趣味だった。さすが御曹司。
ブレザーにヘルメット姿は似合うだろうな。つい、その姿を想像してしまう。
白馬に乗った社長は王子さまみたいだろうな。勇ましい顔でお姫さまを迎えに行くんだろうな。
どういうわけか、鼻の奥がツンと来そうで、妄想をストップする。
「これでもコネチカット州の大会では優勝したこともあるんだよ」
「コネチカット……」
「俺はアメリカの大学を飛び級で卒業してる。これでも経営学修士だ」
「ほう」
なるほど、それで社長就任時に未成年だったのね!
「本当に山田さんは俺のことを知らないんだね。少しは俺に興味を持って」
「そう言われましても」
「くっ」
そこで社長はまたがっくりを肩を落とした。
だから、何でよ。
これでも少しは社長に興味が出てきたんだから。
婚約者はどんな人なんだろうとか、美人なのかとか、私みたいに遠慮なく抱きつぶしてるのかとか、大切すぎて手も出していないのか、とか。
考え始めると止まらなくなるから、すぐに別のことを考えるけど。