御曹司は不遇な彼女に本物の愛を注ぐ
「今日は俺も仕事が休みなんだ。紫音さえ良ければデートに行かないか?」

「デートですか?」


久しぶりに隼人さんからデートのお誘いだ。凄く嬉しい。断る理由なんてない。一緒に住むようになり、いつしか隼人さんのことを私は好きになっていた。年頃の男女が一つ屋根の下なんだから無理もないよね。


それに隼人さんは公孝と違って暴力で私を支配したりしない。常に私の意思を尊重してくれる。私が一人でダンスの練習を夜中までしていたら私の体調を心配して止めたりもしてくれた。

公孝は常に自己中心的で私のことなんか気にかけてもくれなかった。


「俺主催のパーティーは一週間後だ。そのときに紫音を俺の嫁として紹介する。紫音に手を上げていたクズと会社でイジメを行っていた連中にはすでに招待状を送ってある」

「来てくれるんでしょうか?わざわざ私をイジメに来るとは思わないんですが……」


「だからこそ俺が主催者なんだ。神宮寺グループからパーティーの招待状が来れば、普通は食いつくだろ?美味しい飯が食えるとか俺と人脈を作ろうっていう馬鹿な連中がな」

「隼人さんと関係を持ってほしくないです」


私はむぅっと頬を膨らませた。隼人さんは仮とはいえ私の恋人なのに。他の女性に取られたくない。ましてや私をイジメてきた女性なんかに。
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