気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 触られたくない。髪だろうと顔だろうと肩だろうと、彼に好き勝手されているところを志信さんには見られたくない――。

「そういえば、この後用事があるんじゃなかったか?」

 さりげなく私と宗吾さんの間に割って入った志信さんが言う。

「用事……」

「ああ、親友と出かけると言っていただろう? そろそろ時間じゃないか?」

 この場から私を助け出そうとしてくれているのを察し、こくこくとうなずいた。

「す、すっかり忘れてた。ありがとう。……そういうことだから、宗吾くん。また今度ね」

「あ、おい」

「行こう、優陽」

 志信さんに手を取られて、慌ててその後を追いかける。

 宗吾くんから充分に離れたところまで逃げると、志信さんの足が止まった。

「親戚というのは本当か?」

「え? う、うん、本当だよ」

「……どうして親戚相手に怯えている?」

 険しい顔で詰められて息を呑む。

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