気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「私を嫁にもらってやるって言って、自分のものみたいに扱うの。身体に触ってきたり……。うちの両親の前ではやらないんだよ。自分のやっていることが間違ってるってわかってるから」

 低い唸り声が聞こえた。

 志信さんが眉間に皺を寄せて、不快感をいっぱいに表している。

「触られそうになって怖かった。馴れ馴れしくされるの、本当に嫌で……」

「すまない」

 はっとした様子で志信さんが私の手を離した。

 急に彼のぬくもりがなくなって寒々しくなる。それを少し寂しいと思った。

「あの場から連れ出さなければと咄嗟に握っていた。嫌だっただろう」

「……嫌じゃ、なかったよ」

 志信さんの言葉を否定して、握られていた自分の手を見つめる。

「初めて会った時も、今も、志信さんに触られるのは怖くない。ううん、むしろ今はほっとした。……志信さんがいてくれて本当によかったよ。ありがとう」

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