気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 好奇心を抑えきれずに質問すると、優陽は目を丸く見開いてから眉間に皺を寄せた。

「聞き出そうとしてる」

「鋭いな」

 そんなかわいらしい顔で睨まれても怖くない。

 でもそれを指摘したら、口をきいてくれなくなりそうだ。

 下手に虎の尾を踏んで嫌われるのはごめんだと、軽く両手を上げて降参を示す。

「少なくとも俺が覚えている範囲で、変だと感じるものはなかった。本当だ」

「ふーん」

 じっとりと物言いたげな眼差しに頬が緩みかける。

 以前の彼女だったら、俺に対してこんな反応をしなかっただろう。不安そうな顔をして、おずおずと尋ねてきたはずだ。

 それが今は、遠慮なく接してくれるようになってくれてうれしい。

「むしろデータを確認して、なにか力になれたらいいのにと思った」

「そう? ……養子だから?」

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