気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 優陽は黙って下を向いてしまった。照れているようだ。

「私はそんな、大した人間じゃ……」

「そういう人だから放っておけないと思うんだろうな」

 これまでに二度、彼女は俺のために言葉を尽くしたことがあった。

 一度目は過去に付き合った女性たちに言われたことを伝えた時。

 二度目は昼間の水族館だ。両親に否定され、今も不仲が続いていると伝えた時、彼女の表情が曇ったのを覚えている。

 医者でもそうでなくても俺は俺だと、好きなことをするのが一番だと、優陽はどんな気持ちで言ってくれたのだろう。

 とっくに割り切っていたはずの俺の心にどれほどその言葉が沁みたか、きっとわかっていないに違いない。

「前にも言っていたよね。私を放っておけないって。そんなに?」

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