気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
それはそれでいいかと思いながら、先ほど提供されたコーヒーに手をつける。
「そうだ、さっきの話」
「ん?」
デザートに夢中になっていた優陽が背筋を伸ばし、改まった様子で俺を見つめた。
「頼ってほしいって言ってくれたの、今までは友だちだけだったの。だから志信さんにもそう言ってもらえてすごくうれしい」
さく、と優陽がメレンゲを食む音がした。
「……さっきはそんなつもりじゃなかったって言ったけど、自分だけのためかって言われたらやっぱり違う。私を引き取って育ててくれた大切な人たちだから、迷惑をかけないように頑張らなきゃってずっと思い続けてた」
うなずくだけに留めて、その先の言葉を促す。
「自分でできることは自分でできるようにしたし、奨学金をもらえるように努力もしたつもり。早く独り立ちして、私自身から両親を解放したかったのかも」