気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 目を覚ましてすぐ志信さんの顔を見たのは初めてのことだ。

 こんな至近距離で、しかも乱れた寝間着から胸もとが見えている。

「身体は平気か?」

「う、うん」

「よかった」

 短いひと言ながらも、私に与える影響は絶大だった。

 昨夜、私は自分のすべてを志信さんに捧げ、彼はなにもかも奪ってくれた。

 優しく労わられすぎて逆にもどかしくなった自分が、なにをねだったかは忘れたい。

「え、えと、志信さんは……身体、平気?」

「俺?」

 きょとんとしたかと思うと、志信さんは堪え切れずに噴き出した。

「心配してくれてありがとう。だがこの場合、労わられるのは君のほうじゃないか?」

「そうなの? でも……」

「またかわいいことを言うと、平気じゃなくなるかもしれないな」

 シーツの中で動いた手が私の身体を意味深になぞる。

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