初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

【おはようございます。今朝、駅の階段で転んで怪我をしたので念のため、病院で受診してから会社に向かいます。吉瀬さんからその話は聞くと思うけど……。怪我は大したことはないので、心配しないでね】

長文になったけど送信すると、すぐに着信があった。

「もしもし」
『琴葉っ、大丈夫なのか?』

焦ったような恭二くんの声から、心配してくれているのが伝わってきた。

「膝を擦りむいで血が出てるけど大丈夫だよ。あと、階段から落ちた時に手を突いてしまったので手首に痛みがあるぐらいかな」
『他には痛いところはないのか?頭とか打ってない?』
「うん、頭は打ってないよ。今から家に帰って、着替えてから整形外科に行ってくるので、午前中は半休でお願いします」
『俺もついていこうか?』
「大丈夫だよ。また結果を報告するね」

電話を切って一息つく。
お兄ちゃんたちも過保護だけど、恭二くんも大概だな。

ベンチから立ち上がって階段をのぼり、改札を抜ける。
足を捻っていなかったので普通に歩けたけど、破れたストッキングのまま徒歩で帰るのは人の目もあるのでタクシーを使って家まで戻った。
足を洗って消毒し、女子高生がくれた可愛いウサギのキャラクターのついた絆創膏を貼った。

使い物にならないストッキングをゴミ箱に捨てて新しいのに履き替える。
さっきのスカートを脱ぎ、ミモレ丈のスカートを新たに穿いて近所にある整形外科に向かった。
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