初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

私がコートの下に着ているのは、水色のドレスで袖の部分がフレアスリーブになっていて、ウエストにはリボンが付いている。
サロンのハンガーにかかっているのを見た瞬間、『可愛い』と口にするほど私好みだった。
このドレスは恭二くんが選んで用意してくれたものだ。

前に『琴葉は濃い色もいいけど、淡いパステルカラーの方がよく似合う』と恭二くんが言っていた。
自分ではよく分からないけど、サロンのスタッフの人にもヘアメイクをしている時に同じことを言われたのでそうなんだろう。

恭二くんはセンスがよく、いつも私のツボをおさえている。

浮かれ気分でロビーのクリスマスツリーを眺めたあと、時間を確認すると十七時半前。
サロンでの身支度が早く終わり、予定の時間より早いけどホテルで恭二くんを待てばいいと思って延原さんに連れてきてもらったんだ。
その恭二くんはこのホテルで同窓会があると言っていて、終わり次第合流することになっている。

用を足そうと婦人化粧室に向かった。
個室に入りカギを閉めたところで、誰かが化粧室に入ってきて話し声が聞こえてきた。

「今日の同窓会、来てよかったよね」
「ホントだよ。まさか、久住くんが来てるとは思わなかったけどイケメンを見て目の保養になったわ」

聞くつもりはなかったけど、同窓会、久住くんというワードを耳にし、この女性たちは恭二くんの同級生だというのが分かった。

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