初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋
そして、不運なことに今度は俺が三条の娘に白羽の矢を立てられてしまった。
HYM商事の周年パーティーで彼女がいると言ったにも関わらず、結構な頻度で見かけるようになっていた。

俺の断り方が悪かったのか?
でも、あの時は咄嗟に付き合っているふりをしてもらった琴葉がそばにいたから強い言葉で突き放すことが出来なかった。

それに、会社近くで出待ちのような形で話しかけられたこともあったが、うちの社員も周りにいたのでどうにか理由をつけて離れることしか頭になかった。

三条の娘に付きまとわれているかもしれないということを、付き合ったばかりの琴葉に伝えるかどうしようか迷った結果、伝えないことを選択した。
琴葉もあの女のことは苦手なはずだから、そんな話して嫌な思いをさせたくなかった。

そして先週、同期で海外事業部の穂積洋輔とバーで飲んでいたら三条の娘がやってきた。

洋輔は中学からの親友で、俺と芹、文具メーカー『ラブイット』の御曹司の立花結翔の四人でよくつるんでいた。
洋輔も大手不動産会社の社長の息子だが、『俺は次男で会社を継がなくてもいいから』と言って、うちの会社に就職した。
同じ会社ということもあり、芹や結翔より洋輔とはいろいろなことを話すから琴葉と付き合い始めたことも伝えたばかりだ。
二人で近況報告がてら、ゆっくり飲もうと思っていたのに邪魔が入った。
 
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