叶わない恋の秘めごと~堅物上司の好きな人~
「松浦さんが女癖悪いって知らなくて、本当にごめんね」
いつも明るくて元気な仲野くんから落ち込んだ様子で謝られ、逆に申し訳ない気持ちになる。私がもっとしっかりしていればよかったんだ。仲野くんが悪いんじゃない。
「ううん。大丈夫。気にしないで」
「本当? よかったー。もう口きいてもらえないかと思った。俺、新堂さんに無責任だってこっぴどく怒られてさ。めちゃくちゃ反省した」
「え? 新堂さんに」
いつの間にそんなことが……? 私のために怒ってくれたんだ。
「もう倉田を誘うなって、釘刺されちゃった」
新堂さんがよほど怖かったのか、仲野くんが苦笑いしながら頭を掻いている。普段温厚な新堂さんが……。
確かに松浦さんに対してもすごく怖い形相だった。見たこともない新堂さんの姿に、私も震えた。でもそのあとベッドでの新堂さんは優しくて、紳士的だった。
……って、思い出したらまた体が熱くなってきた。
「乙葉ちゃんどうしたの? 顔真っ赤にさせて」
清家さんが不思議そうにのぞき込んできて慌てて「なんでもないです!」とのけ反った。