叶わない恋の秘めごと~堅物上司の好きな人~



顔を熱くしながらそう言うのが精いっぱいで、彼の顔がまともにみられない。オロオロと目を泳がせていると、新堂さんがポンと私の頭に手を乗せ言った。

「そんな顔、俺以外に見せるなよ」
「え?」
「もう、気安く触られるな。じゃなきゃもっとすごいことするからな」

独占欲が孕んだような言い方に、胸がキュンと音を立てる。

そんな風に言われたら、期待してしまいます。新堂さんの特別だって勘違いしそうになるじゃないですか……!

だけれどそんな私の複雑な気持ちも知る由もない新堂さんは、ふっと口元を歪め笑うと、給湯室を出て行った。

その顔すらかっこよくて、いまだ体の火照が収まらない私は、彼が見えなくなるのと同時にその場にしゃがみ込んだ。

「ずるいよ……」

< 43 / 70 >

この作品をシェア

pagetop