私の愛したゴミ
サキは男の子からよく言い寄られているから言っても問題ないと思ったのに。

「トウヤのサキを見る目みた?惚れてるんじゃない?」

でもそれが間違いだった。サキに伝えてしまったその言葉は時間をかけてサキにトウヤを意識させるきっかけになってしまった。

「えーほんとー?」

にこにこしながら嬉しそうに笑うサキに、お似合いだと思ったもん、なんて言ってしまった。

今でもこの時期に見せたトウヤの愛が今でも重い鎖のようにサキの心から離れていないんだろうね。

あれは幻だったと割り切るにはきっとサキの経験値が足りなかった。それくらいサキはピュアだった。

トウヤもトウヤで未だに中途半端なことをするから余計に愛の幻影は嘘ではなかったと少しの優しさにサキは縋ってしまうんだと思う。

サキは可愛さも愛嬌も人望も全て持ってる。なのにふとした瞬間、どこか満たされない寂しさを感じる。
< 16 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop