私の愛したゴミ
甘ったるくて、胸焼けしそう。
余計なカロリーとったな、なんてすこし気分が下がった。

少しでもわたしの醜い部分が増えるのは嫌だ。トウヤに可愛くない、って思われるのが嫌だ。

ねえモモカ、幸せって言ったのは本当に嘘じゃないよ。

一緒にいれるだけで嬉しくて胸がいっぱいになって。トウヤの香りに安心して、ずっと一緒にいたいと思うの。

だけど、私もトウヤからも愛が欲しいって考えたことはあるよ。愛し愛される小説とか漫画を見るとすごく羨ましいの。

だけどさ、もし貰ったとしても両親からさえも愛されたことの無い私はきっと気付かないと思うんだ。それに私は人を信用出来ないし。

言われたことは無いけど好きだ、って言ってくれたとしてもきっと信用出来ない。誰にでも言ってるんじゃないの?ってきっと思っちゃう。

私だって心から幸せになりたいよ。なんの不安もなく人を好きでいれるってどれだけ幸せなのかなあ。

だけど、愛されるなんて私の中ではおとぎ話のようなものなの。

モモカは彼氏を愛しているだろうし、モモカの彼氏もきっとモモカを愛してる。私にとってそれはまるで別世界のお話で。

レジに向かうモモカの後ろ姿を見つめながら財布からお金をだす。

モモカは彼氏に不満とか嫌なとこがあったりしたらすぐ愚痴ってくるけれど、好きな人と両思いになるって魔法が使えるようになるのと同じくらいの奇跡なんだよ、私にとっては。

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