執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
これ以上決断を先延ばしにしたところで、美都の心は変わるだろうか。この先、哉明に幻滅したり、嫌いになったりする日がくるだろうか。

(たぶん、私はずっと哉明さんに憧れ続けると思う)

『愛』は相変わらずよくわかっていない。でも尊敬があれば、この先もずっとふたりでいられる気がした。

「……わかりました」

ため息とともに呟くと、「え」という間抜けな声が聞こえてきた。

ゆっくりと目を開けると、珍しく表情を崩壊させた哉明がいて、随分とおもしろい顔をするものだなあと他人事のように思った。

「わか……え? わかったって、結婚してくれるのか?」

今さらなにを驚いているのだろう。あれだけゴリ押ししてきたくせに。

「はい、あきらめました。あなたと結婚します」

「それは……同情か?」

「別に同情なんかじゃ。もともと悪い条件ではありませんでしたから。哉明さんは私を助けてくれたヒーローですし、私にはもったいないくらい素敵な方かと」

素直に告げると、哉明はナイフとフォークを置いて真剣な顔になった。思わず美都も姿勢を正す。

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