執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
哉明が気遣わしく尋ねてくる。『どうした?』――十二年前のあのときの記憶と、今の彼の表情がシンクロした。やはり彼は、頼もしくて優しい。

なにも言えずにいると、穏やかな笑みを浮かべ、美都の頬を撫でた。

「体は? どこか痛くないか?」

「……平気です」

「無理はするな。一日くらいシャワーを浴びなくても平気だし、朝食を抜いても死なない。もう少し寝てろ」

体がどうこうというわけではないけれど、もう少し眠っていたいのは確かだった。

彼の隣にいたい。毛布から覗く上半身が、とても綺麗で、逞しくて、もう少し眺めていたくなる。

(男性の体を見ていたい、なんて……考えたこともなかったな)

こんな感情は生まれて初めてで、すごく不思議な感覚だ。

「もう少し、ここにいてもいいですか」

「好きなだけここにいろ」

そう言って、美都の頭を優しく撫で、髪を梳く。

「優しいんですね」

「ベッドの中だけ優しいみたいに言うなよ」

「違うんですか?」

「ふざけるな。俺はいつでも優しい。お前こそ、こういうときだけ懐きやがって」

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