執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
ペットボトルのお茶を喉に流し込み、大須賀ははぁと息をつく。

「いつかもっと親しくなれるんじゃないかって、呑気にしていた俺がいけなかったんです。気づいたら喜咲さんはご婚約されていて。情けないですね」

ふと筧や鶴見の言葉を思い出す。

『大須賀さん、あんなに頑張ってアピールしてるのに』、『喜咲ったら塩対応だからなあ』――ようやく意味がわかり瞬時に猛省した。

「……無神経な言動の数々、大変失礼いたしました」

膝に手をついて深々と頭を下げると、大須賀は「なんだか武士みたいだなあ」と笑ってくれた。

「それから……こんな私を好きと言ってくださって、ありがとうございます」

まさか自分をそこまで好いてくれる人が身近にいるとは思わなかった。

気持ちには応えられないけれど、感謝は伝えたい。

大須賀はにっこりと笑う。

「喜咲さんが素敵な人に巡り会えてよかったです」

爽やかな笑顔は、無理やり作ったものだろう。美都が気に病まないように。

「……でも、ひとつ、未練がましいことを言わせてもらってもいいですか?」

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