晩餐
死してなお、置いてきた自分自身の業がまとわりつくなんて。
案外あの世というものは地獄に近いんじゃないのかとすら思う。
生きていた世も大概地獄ではあったが。
人はなぜ死ぬのだろう。
生き死にを繰り返して、魂を磨き、知りもしない神様とやらにその美しさを褒め称えられようと研鑽を続けるのだろうか。
もしそうであるのなら生憎もっぱら興味が無い。
輪廻転生から外れ、なにもない世界で漂っていた方がマシだ。
もう誰にも縛られたくない。
──縛られるって、誰に?
ズキンと痛むこめかみ。
まぶたが小さく痙攣するのを感じた。