離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜ハネムーン編&afterStory集〜
「ならよかった。満腹になって早寝されしまっても、〝いたずら〟ができなくなってしまうので」
「い、いたずら……?」
千秋さんはなぜだか急に、そんなことを言ってニヤリと悪い顔をする。
ドキドキと心臓が高鳴る。
――トリック・オア・トリート
ハロウィンといえば、それである。
これはなにか企んでいるか、それとも私をからかおうとしている顔だ。
ドキドキしながら見つめていると、千秋さんが耳元に顔を寄せてきた。
「ちゃんとした夫婦になってから迎えるはじめてのハロウィンですからね……俺が求める甘い菓子をもらえないと、悪いことをしてしまうかも……」
心臓がさらにドキリと鳴ると同時に、ごくり……と喉が鳴る。
そ、それは、私には彼の求めるものを準備していないと、大変な事になりそうな予感だ……。
もとより、トリック・オア・トリートって、お菓子を渡せば解決するんじゃ……? という突っ込みはさておき。
大好きな千秋さんにそんなことをいわれたら、私は丸腰で待っていろと言われているようにしか解釈できない。