離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜ハネムーン編&afterStory集〜


「千秋さんの意地悪が気になるので、お菓子を準備しない……なんてこともあるかもしれませんよ?」
「ふっ……いいですよ。菓子なんてなくて、俺の欲しいものは、たっぷりもらうつもりなので」


 千秋さんはもう一度そう囁くと、ちょんと私の唇に人差し指で触れて、優しく微笑む。

 意図を察して、頬がじわりと熱くなる。

 そ、それって……。
 いつも、してるのに……っ。


「さぁ、冷えてきたので、そろそろ帰りましょうか」
「は、はひ……」


 千秋さんにそんなことを言われて、嬉しくないわけがない。

 いつまで経ってもドキドキされられている。
 私たちは、どれだけ月日が経とうとも、相変わらずだ。

 私は少しだけ温度の上がった手で、しっかり彼の大きくて温かい手を掴みながら、軽い足取りで帰路へついたのだった。



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