乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
そっか。一番信頼してる護衛係に頼んでないわけなかった。キクチくんを呼び戻してあたしを一人きりにしたら、榊は絶対ほっとけない。わざときっかけを仕組んだんでしょ?
連絡ひとつ寄越さない不器用男のグチをこぼしまくってたから、ユキちゃんが真にお節介を頼んだのかな。『たりない』を素直に言えないあたしが不憫で。
「まだ帰れないって。またフラれちゃったぁ」
泣きかけを誤魔化すように、明るく冗談めかした。暗がりでよかった。
「口説き甲斐のあるヤツだねぇ?」
三十歳すぎても変わらずのアイドル顔が不敵に。
「けど、オレの女を何度も泣かすのは許さねーよ」
夜空で大輪の花火が爆ぜれば、はしゃぐ凛太朗と無邪気な笑い顔をのぞかせた。
ほんとは真だってずっと三人三脚で、この極道を貫きたかったの。榊ひとりに背負わせるような真似なんか、したくなかったの。
本気出せば止められたのに、止めなかった。
あんたの意地は優しさで出来てるから。あんたが手にした銃は、絆って名前のハガネで出来てるから。あんたの気持ちを殺したくなかったの、真は。
あのね。
あたしの未来予想図はね。この子達のどんな思い出にも、もれなくあんたが登場してた。あたしの幸せなんて、それくらいでお釣りがくるんだからね。わからずや。
「・・・榊のばか」
呼んだ名前は轟きに掻き消えた。
『宮子らしくないわよ!』
一瞬、紗江が仁王立ちしてる幻が浮かんだ。
『遊佐クンを取り返した根性は、どこに置いてきたわけ?!』
背中をバンバン叩かれた。おかげで目から鱗が落ちた。
寝ぼけてた。何回フラれたって、諦めるのを諦めないのが、あたしだったよねぇ。
覚悟しといてよ。胸の中で吠えて小っちゃく笑った。届くまで愛ごとつらぬく主義なんだから。
天を仰ぐ。
ひときわ大っきい牡丹花火が、紅く、咲いた。
FIN
連絡ひとつ寄越さない不器用男のグチをこぼしまくってたから、ユキちゃんが真にお節介を頼んだのかな。『たりない』を素直に言えないあたしが不憫で。
「まだ帰れないって。またフラれちゃったぁ」
泣きかけを誤魔化すように、明るく冗談めかした。暗がりでよかった。
「口説き甲斐のあるヤツだねぇ?」
三十歳すぎても変わらずのアイドル顔が不敵に。
「けど、オレの女を何度も泣かすのは許さねーよ」
夜空で大輪の花火が爆ぜれば、はしゃぐ凛太朗と無邪気な笑い顔をのぞかせた。
ほんとは真だってずっと三人三脚で、この極道を貫きたかったの。榊ひとりに背負わせるような真似なんか、したくなかったの。
本気出せば止められたのに、止めなかった。
あんたの意地は優しさで出来てるから。あんたが手にした銃は、絆って名前のハガネで出来てるから。あんたの気持ちを殺したくなかったの、真は。
あのね。
あたしの未来予想図はね。この子達のどんな思い出にも、もれなくあんたが登場してた。あたしの幸せなんて、それくらいでお釣りがくるんだからね。わからずや。
「・・・榊のばか」
呼んだ名前は轟きに掻き消えた。
『宮子らしくないわよ!』
一瞬、紗江が仁王立ちしてる幻が浮かんだ。
『遊佐クンを取り返した根性は、どこに置いてきたわけ?!』
背中をバンバン叩かれた。おかげで目から鱗が落ちた。
寝ぼけてた。何回フラれたって、諦めるのを諦めないのが、あたしだったよねぇ。
覚悟しといてよ。胸の中で吠えて小っちゃく笑った。届くまで愛ごとつらぬく主義なんだから。
天を仰ぐ。
ひときわ大っきい牡丹花火が、紅く、咲いた。
FIN