神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
ジンを“眷属”に据えておきながら、自分以外の『誰か』が、瞳子を護るという事実に、たまらなく嫉妬を覚えるのだということ。
その感情を表に出したくなくて、何も感じてないフリをしているのだ。
瞳子から、馬鹿みたいだと、いつものように否定される事を期待するのではなく──。
(ああ、そうか。イチが言っていたのは、これか)
黒髪の従者の『忠告』を思い出しつつ、口をひらく。
「瞳子を護るのはオレだけでいいのにって、思ってしまったんだ。
……その。ジンを瞳子に付けておきながら、馬鹿みたいだが」
何とも格好のつかない話だと、双真自身、言葉にしたとたん、なおさら実感する。やや瞳子から視線を外してしまったのは、その情けなさからだ。
ふうん、と。瞳子は気のない相づちをうつ。
「確かにバカみたいね」
突き放すような物言いに、双真の胸に後悔がよぎったが、続けて瞳子が言ったのは予想外のことだった。
「言っとくけど。私だって萩原の家に向かってる時、アンタが村の娘さん達に囲まれてるの、面白くなかったからね?」
「は? いや、あれはオレがどうというより、萩原の名前や肩書きに寄って来てただけで、オレ個人が好かれていたワケでは──」
ほら、と、瞳子がさえぎるように指を上げてみせた。
その感情を表に出したくなくて、何も感じてないフリをしているのだ。
瞳子から、馬鹿みたいだと、いつものように否定される事を期待するのではなく──。
(ああ、そうか。イチが言っていたのは、これか)
黒髪の従者の『忠告』を思い出しつつ、口をひらく。
「瞳子を護るのはオレだけでいいのにって、思ってしまったんだ。
……その。ジンを瞳子に付けておきながら、馬鹿みたいだが」
何とも格好のつかない話だと、双真自身、言葉にしたとたん、なおさら実感する。やや瞳子から視線を外してしまったのは、その情けなさからだ。
ふうん、と。瞳子は気のない相づちをうつ。
「確かにバカみたいね」
突き放すような物言いに、双真の胸に後悔がよぎったが、続けて瞳子が言ったのは予想外のことだった。
「言っとくけど。私だって萩原の家に向かってる時、アンタが村の娘さん達に囲まれてるの、面白くなかったからね?」
「は? いや、あれはオレがどうというより、萩原の名前や肩書きに寄って来てただけで、オレ個人が好かれていたワケでは──」
ほら、と、瞳子がさえぎるように指を上げてみせた。