冷徹魔王な御曹司は契約妻への燃え上がる愛を手加減しない【極上スパダリ兄弟シリーズ】
「おはようございます」
 ドアを開けて中に入ると、同僚が笑顔で「今日はギリギリじゃない。どうしたの?」と聞いてくる。
「昨日寝るのが遅くて寝坊しちゃった」
 ハーッと溜め息混じりに返したら、私の斜め前の席の薫さんが柔らかな笑みを浮かべて注意する。
「真理ちゃん、夜更かしはダメ。お肌に悪いのよ。三十過ぎたら、疲れ顔になるわよ」
 薫さん……月城薫さんは私の六年先輩で、会長秘書。年上で誰もが振り返るような美人だけど、性格はとてもかわいく、いつも穏やか。私が男ならお嫁さんにしたいのだが、彼女も私と同じで結婚に興味はなく、少女漫画にハマっている。
「はい。気をつけますね」と、薫さんに素直に返事をしたら、常務秘書の佐藤小春が現れ、私に恨みがましい視線を向けてきた。
「真理さん、副社長に壁ドンされるなんてズルいですよ」
ふわりとしたミディアムヘアの彼女は、私のふたつ下の後輩。副社長のファンで、玉の輿を狙っている。
「いや、あれはエレベーターが混んでて仕方がなかったの」
< 9 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop