パーカー女子は、フードを彼に引っ張られて

第四話『私の部屋で…』

私は賢人を部屋に入れてあげることにしました。

「あ、これが彩の部屋か」

賢人はモノ珍しそうに私の部屋を眺めています。

やっぱり恥ずかしい…

私の部屋はいわゆる大人ガーリーなお部屋。

アンティーク調の家具に、フリルのクッション。
ベッドはフリルのベッドスカート。掛け布団はブラウンのチェック柄。

お部屋の全体的な色味は白っぽいです。

「いい匂いがするね」

賢人にそう言われてさらに恥ずかしくなりました。

「もう…」

私は羽織っていたaxes femmeのフリルフードのホワイトパーカーをクローゼットの中にしまいました。

「あ、パーカーいっぱいだ」

「うん。パーカー女子だもん、私」

「色々パーカー着て見せてよ」

そう言う賢人のお願いに、私の部屋でファッションショーが始まりました。

私は着ているAnk Rougeのピンクワンピースの上に、Areeamのペプラムフリルパーカーを羽織りました。

色はライトベージュ。モチモチフワフワしたダンボール生地でフードにはフリルが付いています。
後ろにかけてはペプラムデザイン。お気に入りの上品なオトナ可愛いパーカー。

私は賢人にパーカーのフリルフードをまた掴まれました。

「あっ…」

「ねえ、このフード、触り心地が気持ちいいね」

「うん、お気に入りなの」

賢人はフリルフードをまだ触っています。

「もう離してよ」

「ねえ、フード引っ張りたいな」

「え⁉︎、ダメだよ!」

「なんで?」

「なんでって…、お気に入りのフードだから」

賢人はそう言うとフードを引っ張りました。

「あっ…やめて…」

私のお気に入りのフリルフードが賢人にギュッと強く引っ張られてしまいます。

「お気に入りなんだから離してよ…」

賢人はフードを引っ張ったままニヤニヤとしていました。

「どう?引っ張られた気分は?」

「ちょっと首が苦しいよ…」

私はフードを賢人に引っ張られて少し首が苦しくなりました。

「彩のパーカーのフード引っ張るの、クセになりそう」

「ダメだよぉ…苦しいから早く離して…!」

私は賢人にされるがまま、フードを引っ張られ続けます。

しばらくして賢人がフードから手を離してくれました。

「はぁ…、もうっ…なんでこんなことするの…?」

「彩が可愛くてつい…」

そんなことを言われてしまった私は、賢人にフードを引っ張られるのもちょっとだけイイかなと思ってしまうのでした。




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