パーカー女子は、フードを彼に引っ張られて

第六話『パーカーデート』

私は賢人の彼女になりました。
まるで夢のようです。
今日も賢人とお気に入りのパーカーを着てデートなんです。

今日はリブインコンフォートの白い裏ボアパーカーに、F i.n.tの花ダイヤ柄スカート、フリルのついたアリームのリュックを背負っています。

「どうかな?、私、可愛い?」

「うん。めちゃくちゃ可愛いよ」

私は賢人に可愛いと言われてキュンとしてしまいます。

彼氏にコーデを褒められるのが嬉しいんです。

「あったかそうなパーカーだね」

「うん。裏ボアでフードもボアを裏毛でサンドしてあるからふっくらであったかいの」

「触ってもいい?」

「あ、うん。いいよー!」

賢人にフードを触られる私。ちょっとドキドキしてしまいます。

「今は引っ張っちゃダメだよ…」

賢人にフードを引っ張られそうになったので、私はそう言いました。

「あ、今はやっぱりダメ?」

「帰ったら引っ張らせてあげるから…」

私は恥ずかしい気持ちになりながらも、賢人にフードを引っ張られることが嬉しかったんです。

こうして私たちのデートがスタートしました。

水族館に行ったり、プリクラを撮ったり、たくさん遊んだ後、私の部屋に賢人が来ました。

「やっぱり可愛い部屋だ」

「ありがとう…」

賢人は早く私のパーカーのフードを引っ張りたそうに後ろから手を伸ばしてきました。

「あ、ちょっと…」

フードを掴まれてしまった私は、そのまま賢人に引っ張られて引き寄せられてしまいます。

「そんなっ…いきなり…」

賢人はさらにフードを強く引っ張りました。

「あ…苦しい…」

「やっぱりいいな、彩のパーカーのフードは引っ張りがいがあるよ」

「もっと優しく引っ張ってよ…」

「あ、ごめん。つい」

そう言いつつも賢人はさらに強く引っ張りました。

「く、苦しいってば…やめて…」

賢人はニヤニヤしてます。

「お願いだからこれ以上は強く引っ張らないでよ…」

私のフードを強く引っ張って、私が苦しそうにしてるのを楽しんでるみたいです。

「どう?苦しかった?」

「苦しいよ…、もう離して…」

賢人は私のパーカーのフードを掴んだまま離してくれません。

「ねぇ、離してってば…」

私は賢人にさらにフードを引っ張られてしまいます。

「やぁ…、苦しい…」

「彩、可愛いよ」

私は賢人にそう言われましたが、フードの方が今は大切でした。

「お気に入りのフードなんだから、強く引っ張らないでよぉ…」

「まだ引っ張りたりない」

私は賢人にフードを引っ張られ続けます。

「もう…苦しい…、離してぇ…」

「じゃあそろそろ離してあげるね」

賢人がやっとフードから手を離してくれました。

「どうだった?」

「苦しかったよ…、今度からは優しく引っ張ってね」

私のパーカーのフードを引っ張れて、賢人は満足そうにしてました。

賢人にフードを引っ張られるのはキライではありませんが、強く引っ張られると首が苦しくなってしまいます。

でも…、賢人がそんな私を可愛いと言ってくれたので、少しは嬉しくもありました。









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