唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 眠る?

 一緒に?



 ……ひゃっ!!



 よくよく考えれば、一晩一緒に過ごすということはそういうことですよね……

 久々に会える喜びに浸りすぎていて、今更とんでもないことに気がついたけれど……

 むむむむ、無理です無理です。

 満月から太陽に主役が交代する時間帯には、私の脈は完全停止。

 私はベッドの上で、冷たくなっているかもしれません。




 バクバクと飛び跳ねが加速する心拍。

 オメガフェロモンで脳がやられている時には、「もっと先……」なんて思ってしまったりもしたけれど、今はそんな大胆なことは考えられない。

 ベッドで大好きな人と二人だけで眠るというのは、心臓が耐えきれそうになくて。




 唯都様は何も言葉を発しない。

 窓の向こうのきらびやかな夜景を見下ろしながら、いまだ私の頬にほっぺを押し当てている。



 ――冷静になりたい。


 自分の心臓の爆音に戸惑いながら、私は近況を思い返してみた。

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