唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
 

 「琉乃ちゃん、なんでそんなに余裕なの?」


 ふてくされた子供のような声に、一瞬で意識が現在に戻された。



 首を横にひねる。

 麗しすぎる王子様フェイスが肩にちょこんとのっていて。

 唇同士が触れそうなほどの至近距離で。

 「きゃぁ」と悲鳴を上げながら、私は唯都様の腕の中から逃避行。



 薄らいでいく彼の甘さと体温に、遅れて後悔が追いつた。

 ――もっと抱きしめられていたかったな。



 行動とは裏腹な想い。

 恥ずかしくて、高熱でも出たんじゃないかと思うほど体中がほてりだし、熱の下げ方がわからなくて困りもの。



 「俺の甘さで発情してくれるかなって思ったけど、抱きしめていたのに呼吸が平常に戻って。可愛がりが足りないのかなと思ったら、今度は俺の顔を見ただけで呼吸が荒くなって。琉乃ちゃんの発情予測の難関さが、絶対に発情させてやるって闘志につながっちゃうんだよね。たまに思うよ、琉乃ちゃんは俺のハートを狂わす小悪魔なのかなって」

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