唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 ベッドがきしむ音。

 私の背中がさらにマットレスに沈み込む。

 仰向けに寝ているにもかかわらず天井は視界に入らなくて、代わりに麗しい美顔が私の真上に咲き誇っている。



 捕らわれた?と背筋がびくついたのは、逃げられるような状況じゃないせい。

 私の両肩の外側には、程よく筋肉が乗った腕が。

 私の胸上にはちゃんと空間はあるものの、唯都様は私の上に覆いかぶさっていている状態で間違いない。

 逃げたくても太ももまでもが唯都様の膝に挟まれていて、脱獄は不可能とみるのが妥当かも。



 私の中のオメガフェロモンは、覚醒せずにはいられない。


 「熱を下げてあげたいし、呼吸も楽にしてあげたいな」


 真上から降ってくる熱のこもった視線が、私のオメガフェロモンに甘さを溶かしてくる。


 「ちょっと荒療治になっちゃうけれど、すぐに楽になるからこらえてね」


 はぁはぁと重い吐息の吐き出し口が、簡単に塞がれてしまった。

< 356 / 369 >

この作品をシェア

pagetop