唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 でも正解です。

 唯都様は大人気アイドル。

 お金持ちの御曹司で、世界中の人からキャーキャー言われるハイスペックアルファ様。

 この世は私なんかよりも素敵な人だらけなんですから、一時の気の迷いで私と番ってしまたら、きっと後悔してしまいますね。


 
 噛まれたいと心から願った時には、一生唯都様のそばにいさせて欲しいと願ったはずなのに。

 求められなかった悲しみが、私をちっぽけな人間だとわからせてくれた。



 選ばれなかった自分を慰めたくて、自分を卑下する癖がまた発動してしまう。

 でも唯都様と私では住む世界が違いすぎるのは、まぎれもない事実。

 私の首を噛む前に『やっぱり俺の運命の番は琉乃ちゃんじゃない』と気づけて良かったですね、唯都様。



 悔し涙が頬を伝う。

 涙なんて見られたくない。

 唯都様に背を向けたまま、両手で顔を覆うも……



 え?!



 「気に入ってくれるといいな」


 なんだろう。

 布みたいなものがこすれる、首のこの感触は。
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