ほんの少し思い浮かべただけの未来
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この会社で正式に人事報が発令されるのは、異動日のわずか1週間前だ。
『ナメてんの?』と言いたい。それはつまり、私たちが1週間で引き継ぎできるような業務をしてる、と思ってるってこと?
それに1週間前に知らされたのでは、送別会をする猶予もないじゃない! 人情ってものがないの?
とはいえ、憤ったところで就業規則にそう定められているのでどうにもならない。
というわけで、部長は異動の内示をおこなうときに、とーってもわかりやすく会議室へ連れ出してくれるのだ。
まず、わざとらしい咳ばらいをして第一設計部をゆーったりと見回す。次に席を立ってある人物に体を向ける。それから、その人物が所属するグループ中どころか部内中にまで聞こえるほどの大きな声で「あー、今ちょっといいか?」と声をかける。
これでみんな(※新入社員ととんでもなく鈍い人を除く)は、暗黙のうちに知ることになるのだ。内示が出る、と。
そして、今日内示が出たはずだ。園田先輩に。
わかっていた。既定路線だ。
私の所属するグループは、決して余裕があるわけではなかったけれど、それなりには人員は足りていた。