交際0日婚でクールな外交官の独占欲が露わになって――激愛にはもう抗えない
 え……?

 真剣な顔。旭飛に向ける、鋭い視線。
 私は、祐駕くんが嘘を言っているとは思えなかった。

「口先でなら何でも言えるだろ。映茉は不安で泣いて、悲しんでた。お前が映茉を大切にしねーから!」
「映茉、そうなのか?」

 こちらを向いた祐駕くんは、ハッと目を見開いた。
 先程まで、私は泣いていた。きっと目元はぐしゃぐしゃだ。

 祐駕くんの瞳が揺れる。
 哀しい色に変わっていくそれを見て、私は思わず言葉を紡いだ。

「ごめん。でも私、愛されてないって、思ってた」
「誰よりも大切に思っている。俺には、映茉だけだ」

 被せ気味に伝えられたのは、心のこもった優しい言葉。
 彼の目は、真剣にこちらに向けられている。

「日本とドイツで離れ離れで、映茉がどれだけ恋しかったと思う? やっと帰国したのに空港に映茉がいなくて、やっと見つけたと思ったらコイツに告白されていて、俺がどれだけ焦ったと思う?」

 その瞳に映るのは、私だけ。じっと見つめられ、心が震えだした。
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