交際0日婚でクールな外交官の独占欲が露わになって――激愛にはもう抗えない
 だけど、不安な気持ちが消えたわけじゃない。

「でも祐駕くん、『結婚なんて法律上の関係だ』って言ってたじゃない。愛なんてどうでもいいんだって思ってたでしょ。なのに、今更――」
「確かに、最初は愛などなくても良いと思っていた。だが、映茉を知れば知るほど、惹かれて仕方なかった。今は、映茉を愛していると、心からそう思っている」

 祐駕くんは我慢ならないと言うように、私の言葉を遮って想いを伝えてくる。
 ほろほろと涙が溢れ出すと、祐駕くんは私の頬を親指でそっと拭ってくれた。

「愛している。伝わっていないのなら、何度だって言う。映茉、愛している」
「祐駕くん……」

 祐駕くんの言葉に、真剣に私を見つめる瞳に、想いが溢れ出す。

「もっと早くにこの気持ちに気付くべきたった。俺は映茉が好きなんだ。愛しているんだ」
「祐駕くん……!」

 彼の言葉に、たまらずに彼に抱き着いた。ぎゅっと背に手を回す。すると、彼の手が私の背に回る。

「映茉、好きだ。誰よりも、大切なんだ」

 顔を上げると、大好きな、けれど少しだけ切なそうに顔を歪める祐駕くんがいた。
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