俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う

 6番手のグリッドからスタートしたグレッグ。
 当然のようにポールポジションでスタートした瑛弦とは距離があった。

「Me too?」(俺も入った方がいいの?)
「No, stay out.」(いや、そのままでいい)
「Yeah, copy.」(了解)

 ステイアウトとは、ピットインせずにコース上に留まること(周回)を意味している。
 P1だと、他のマシンと攻め合う確率が低くなるため、タイヤの消耗が避けられるのだ。
 


 30周を過ぎたところで瑛弦にピットインの指示を出した基。
 フロントタイヤの限界を見極めていた。

「Gregg jumped the chicane massively.」(グレッグがシケイン(鋭角なコーナー)を大幅にショートカットしたぞ)
「Confirm.……That's true.」(映像を確認する、……やってるな)

 ポールからグレッグが違反していると無線を受けた基は、すぐさまスチュワード(審査員)に通告する。
すると、すぐさまグレッグに10秒のタイムペナルティが課せられた。

「Take care both of you.He is a lion hungry for food.」(2人とも気をつけろ。奴は腹を空かせたライオンだ)
「I know.」(想定内だ/ポール)
「Prepare the cage.I'll send you to the zoo.」(捕獲用の檻を用意しておけ。動物園にぶち込んでやる/瑛弦)
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