身代わりから始まる恋  〜白い悪魔の正体は甘くて優しい白馬の王子!?〜



 翌日は仕事を終えるとデニムに着替えて長袖シャツを羽織る。
 バイクで迎えに行くから、と澄玲に言われていたからだ。
 外に出ると、もう彼は到着していた。革ジャン姿がかっこいい。

「ごめん、お待たせ」
「大丈夫だよ」
 彼はにこっと笑った。

 また、恋の矢が心臓に刺さった。
 もういくらでも刺さって。
 香蓮はあきらめの境地に達していた。

 彼のそばにはダークレッドのバイクが止まっていた。
 ヘルメットとバイク用のエアバッグ、手袋を渡されて身に着ける。
 香蓮の頭に気掛かりが浮かぶ。バイクなら彼につかまらなくてはいけないわけで。
 先にバイクにまたがった彼が、香蓮を見た。

「しっかり俺につかまってね。二人乗り(タンデム)は初めて?」
「うん」
 後部にまたがり、彼の腰に手を当てる。と、その手をぎゅっと引っ張られた。

「もっとしっかり」
 彼の胴を抱えるようにさせられ、香蓮はどきどきした。こんなに密着していては、心臓がもちそうにない。

「じゃ、行くよ」
 香蓮の気も知らず、彼はそう言った。
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