身代わりから始まる恋 〜白い悪魔の正体は甘くて優しい白馬の王子!?〜
「スピード違反」
思わず香蓮は言っていた。
「結婚を申し込むのが早過ぎるわ」
デモ走行のときにはアナウンスが彼が小隊長であることや優勝のことを説明していたが、香蓮は知らなかった。知らないことがまだまだたくさんあるだろう。なのに結婚なんて。
一瞬、澄玲はきょとんとした。それからふふっと笑いを漏らす。
「恋に法定速度はないし、結婚だって交際からの日にちなんて決まってない」
「そうだけど」
戸惑いと喜びで、香蓮はどう答えたら良いのかわからない。
ふいに、蘇る。
はくばのおうじさま。
クラスメイトがそうはやしたてていた。紅美佳にも言われた。
確かに、と香蓮は思う。
澄玲はなんども香蓮を助けてくれた。
彼は現代の白い馬にまたがった白バイ警察官だ。
香蓮は澄玲を見上げた。
何度も香蓮の胸を射た瞳に、期待が満ちているのが見えた。
「ダメ?」
甘くうかがう声に、香蓮の胸に特大の黄金の矢が突き刺さる。
「ダメじゃないです。……よろしくお願いします」
直後、澄玲に力一杯に抱きしめられる。
「今夜は帰したくないな」
澄玲の呟きが聞こえた。
香蓮は恥ずかしくてうつむく。
「顔を見せて」
顎をくいっと持ち上げられて、香蓮は仕方なく澄玲を見る。
「愛してる」
澄玲の顔が近付き、香蓮は目を閉じた。
今夜は帰れないかもしれない。
そう思う香蓮の唇に、優しいキスが触れた。
終
思わず香蓮は言っていた。
「結婚を申し込むのが早過ぎるわ」
デモ走行のときにはアナウンスが彼が小隊長であることや優勝のことを説明していたが、香蓮は知らなかった。知らないことがまだまだたくさんあるだろう。なのに結婚なんて。
一瞬、澄玲はきょとんとした。それからふふっと笑いを漏らす。
「恋に法定速度はないし、結婚だって交際からの日にちなんて決まってない」
「そうだけど」
戸惑いと喜びで、香蓮はどう答えたら良いのかわからない。
ふいに、蘇る。
はくばのおうじさま。
クラスメイトがそうはやしたてていた。紅美佳にも言われた。
確かに、と香蓮は思う。
澄玲はなんども香蓮を助けてくれた。
彼は現代の白い馬にまたがった白バイ警察官だ。
香蓮は澄玲を見上げた。
何度も香蓮の胸を射た瞳に、期待が満ちているのが見えた。
「ダメ?」
甘くうかがう声に、香蓮の胸に特大の黄金の矢が突き刺さる。
「ダメじゃないです。……よろしくお願いします」
直後、澄玲に力一杯に抱きしめられる。
「今夜は帰したくないな」
澄玲の呟きが聞こえた。
香蓮は恥ずかしくてうつむく。
「顔を見せて」
顎をくいっと持ち上げられて、香蓮は仕方なく澄玲を見る。
「愛してる」
澄玲の顔が近付き、香蓮は目を閉じた。
今夜は帰れないかもしれない。
そう思う香蓮の唇に、優しいキスが触れた。
終


