闇夜の星
あたしの胸は一欠片も痛まなかった。嫌いな奴に心を痛めてたらキリがない。こういうのははっきり言わないと。
「俺は今日好きになれたよ
心底嫌そうなのに食べ終わるまで付き合ってくれるし、美味しそうなのか伝わってきて俺もその美味しさを感じれるから」
「意味わかんない·····」
「それに君は努力家ではじめてのバイトなのに一言も弱音を吐かずに頑張ってたし·····敬語が抜けた方が毒舌が光って似合ってる」
弱音を吐かずにって言うけど弱音を吐いたらもうあたしは何も出来ない。生きることすら。
しかも毒舌とか褒め言葉ですらないじゃん。褒めて欲しくもないけど。ほんと意味のわかんないやつ。
「名前教えてよ」
「嫌」
そのままカバンを持って家に帰ることにした。別に歩いて帰れるから問題は無い。
外はまた雨模様だ。しかし暗いなぁ·····バイト終わりに出たから外はもう夜になってた。
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━━ガチャ━━
静かに帰宅すると早速バタバタとあたしに迫り来る足音。
「こんな時間に何をしてたの?」
「バイト先が遠いから·····歩いてたら遅くなっただけ」
「そんなこと言ってカフェにでも行ってたんでしょう?馬鹿な嘘はつかないでちょうだい」
どこにいたって自由でしょ。そう言いたいのに声が出ない。抗うのもバカバカしい。
GPSがついてる時点であたしに自由なんて存在しないんだから。いや、この家に住んでる限り自由なんてない。
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カフェに行ってから1週間経つ頃、あたしのバイトはチェーン店と街中のティッシュ配りだった。
ティッシュ配り中ノルマの分が終わり気分がスッキリとして片付けをしてると後ろの通行人にぶつかってしまった。
「てめぇ、飲み物こぼれちまったじゃねぇか!」
「すいません·····」
頭を下げたけどサングラスをかけた男の怒りはおさまらなかった。近くでティッシュ配りをしていた先輩に目を向けると背中を向けられた。めんどくさい事に関わりたくないということだけがしっかりと伝わってきた。
━━ドンッ━━
「っ·····!」