闇夜の星
「有望っていってもあたしまだ17でなんの取り柄もない人間です
後で失望するだけですよ」
認められて嬉しくてもあたしは素直に受け取れなかった。努力して失望されるのが怖い。
「何言ってんの!17歳にどんな期待をして失望するのよ
私がどんなことを求めてるか勝手に想像したんでしょうけど理想なんて簡単に実現できないものよ
10代のうちなんていくらでも失敗していいし、合わないんなら辞めたっていい
だけどね、最初から諦めないで
最後に裏切られたなんてカッコ悪いこと言わないから」
こんな大人があの時近くにいたら今のあたしはもう少しまともな人間として暮らしていたんだろうか。
「世界一嫌いな人の世話なんて最悪ですけどお給料を貰えるならそれなりに最善を尽くします
なので、よろしくおねがいします」
一息で伝えると早口になってしまった。だけど早く言わなきゃ、止めてしまえばこの仕事をやるとは言えない気がしてた。
「今日の夜は3人で親睦会でもしましょ!仲良くなってもらわらなきゃね!」
高山さんの笑顔は暖かい。一星がいるのは嫌だけど渋々承諾した。最低限知っとく必要はあると思ったから。
「飲み物ちょーだい」「荷物どこに忘れたんだろ」「探すの手伝って」「お腹すいたなぁ、なんか食べものある?」
呆れた····。いくらマネージャーだからってなんでこんな奴のために荷物探して飲み物出して食べ物を考えなくちゃいけないんだ。
飲み物くらいは分かるけど·····、「はぁ····」思わずため息が出てしまった。
「一星さぁん、今日のお仕事ご一緒できてよかったですぅ
またお会いできたら嬉しいのでぇ連絡先交換しましょ?」
今日のドラマ撮影で一緒になった女優であろう人は一星に近づいた。喋り方が鼻につく。
「ごめーん、スマホ家に忘れちゃったんすよォ」
「えぇドジなんだァ」
こいつの喋り方の方が1000倍ウザイな。女優の方がマシに感じてきた。
呆れて目をそらそうとした時、じろりと品定めでもするかのようにあたしを見た。