闇夜の星
「冬花ちゃんは偉いんだ
だから両親も安心して預けれるんだね」
ふざけないで。あたしを置いていなくなったような人達なのに。
「さて会計に行くかぁ」
立ち上がった一星を追いかけてあたしも急いでレジへ向かった。会計は1人3000円。
学生には痛手だ。
「ご馳走様でした
美味かったです」
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「ん?」
一星は2人分支払って店を出てしまった。そして平然とした顔であたしの方を向いた。
「自分の分くらい払うから····」
財布を慌てて開こうとすると一星の手で包まれて開けれなかった。
上を見上げると背の高い一星は笑ってた。
「普段色んなことを頑張ってる冬花ちゃんにご褒美」
「知りもしないくせに勝手なこと」
「知らないことは沢山ある
まだ出会って数回だから
でも、今までを頑張って生きて来たのは今の冬花ちゃんを見ればわかるから」
なんなの、褒めたって何も無いのに。
「こんなに晴れた空の日はさ、夜でも見上げると綺麗だよね 」
「確かに····あたしは疲れた時公園から空を眺めてる」
つい普通に喋ってしまった。横を見ると一星がニンマリしてて顔が熱くなっていく。
慌てて持っていたカバンを横に振って一星の腹へとぶつけた。
「グホッ·····酷くない
冬花ちゃん?奢ったのに、、、」
「名前で呼ばれるの不愉快だから苗字にして
·····ご飯はありがと」
今日一日気になっていたことを言ってスッキリしたあと感謝は伝えた。
「もーなになに?素直じゃないなぁ
送ったげるから住所教えてー
うっそ、無視して帰んの?酷いってー」
「あと一歩でもこっちに来たら通報するから」
さすがに一星もビビったのかあたしを追っては来なかった。よくこんな人間を仕事仲間に選んだな。
バイトは仲間ですらないか。何かあればすぐに切れる人間ほど便利なものないってね。