闇夜の星
荷物を何も持たずに息を切らしながらもいつもの場所についた。なのになんでかな。帰る前は晴れてたのに今は月に雲がかかって公園の街灯以外何も明かりがない。

でもこの方がいいか。これだけ暗ければ誰にも見つからない。見つからない方がいい。


「ハァー····」


息を吐くと口の中に冷たい空気が流れ込んできた。殴られて顔は痛いし、必死に走りすぎて足は捻挫をしているみたい。

···ここから歩く必要も無いしもうどうでもいいか。

この寒空の下だったらあたしは死ぬんだろうな。その方が絶対に楽だし。でもせめて死ぬ日の空が星空だったら幸せを感じれたかもしれないのに。

━ポッ━━ポツポツポツポツ━━


「こんな日に雨か····」


しばらくして空を見上げると街灯に照らされて白い小さなつぶが見えた。雨から雪に変わっていた。


「そりゃ寒いはずだ」


今年の初雪。これが積もる頃にあたしはこの嫌いな世界から離れれるかな。
睡眠不足だしどうせなら眠ってしまえば苦しくないかもな。


数分も経てば手足の震えは止まらないほどになっていた。指先の感覚はあまり無いかもしれない。


このまま目を閉じてれば楽になれる。
この寒さを乗り切ればいいだけ。いままでの大変なことよりよっぽどマシだ。



『疲れちゃった?』


幻聴が聞こえてゆっくりと目を開けると横には傘をさした一星がいた。傘をさしてるのに彼は入っていなくて雪が肩に落ちていった。代わりにあたしには雪が落ちてこなくて傘を差し出してくれてることがわかったけどもう喋る気にもならなかった。
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