闇夜の星
「別にバイトくらい何言われたってできるしそんなことで疲れて家から離れた場所になんて行かないから
あたしが居候してる家には1つ上の娘がいるの
高校に上がる前に引越してきて····同じ高校だったから進学したあとは家での悪さとか同級生への悪口を言ったなんて言い始めて随分居心地が悪くなった
家では人間扱いなんてされないし高校に入ってからは必要なものは全部自分で買わなきゃいけない
だからバイトだってかけ持ちしてたのに嫌なおばさんに辞めさせられたから最後に文句言ってやったらその動画が拡散されたんだって
その動画のせいで“可愛い娘の輝かしい未来”が奪われたらどうするんだって言われたの
お陰で3年間耐えて卒業しようと思ってた高校は退学されられてたしあたしの未来は真っ暗
あのまま消えてなくなろうと思ったのに」
「本当に消えてよかった?」
その言葉と同時に一星は車内のライトをつけた。予想より近い距離の顔に驚いて思わず目を逸らした。
「葉月ちゃんを探しても探しても見つからないからさ諦めようと思っだたんだよね
でもさー?会えると思ってたし、SNSが流れてきちゃったんだよね
さっき教えてくれた動画
かなり拡散されてるみたいでさ
だから絶対に俺が見つけたかったんだ
葉月ちゃんのこと」
「同情したってわけ?」
やっぱり世間と変わらない。
可哀想な子って思えば自分は幸せだから。
「違う」
ハッキリと言った一星を思わず見てしまった。いつになく真面目な顔で真っ直ぐな目。
「教えたかったんだ
このまま消えてしまうんじゃなくて、雨が降っても体に雪が積もっても振り払って立ち上がればこんなに綺麗な世界が待ってるんだって」