闇夜の星
しかも嫌いな奴に助けてもらうなんてわがまますぎる。もう助けて貰ってるけど。

・・・・・・・これ以上はダメだな。
嫌いな人間に助けてもらうなんてどこまでも自分勝手な人間と感じてしまう。


「帰る
ここどこ?歩いて帰るから下ろして」

「だめだめだめ!送るって」


一星はあたしが逃亡すると思ったのか慌てて運転席へ行きチャイルドロックをしてから車を発進させた。

これじゃほんとに誘拐なんですけど。


それから最初にいた公園に着くまでの間ずっと「帰るの?」「このまま逃げようよ」そんなことを言われ続けた。


そもそもこいつがどうしてそんなにあたしに構うのかよく分からない。 たかがバイトにそんなに興味を持つなんて····あぁ、女遊びが趣味か。

「はっ」

思わず想像して鼻で笑ってしまった。ちらっとミラーを見ると一星もこちらを見ていた。


「失礼なこと考えてない?」

「何考えてようが勝手でしょ」

「ほら!絶対失礼なことじゃん」


カーテンの隙間から外を覗くと街の明かりでさっきのようには星は見えなかった。

それから一星は家まで送ると強情に言われて渋々家の前まで送ってもらった。

「ありがとうごさいました」

一応頭を下げると「必ず助けるから」そんな一言と一緒にキーホルダーを渡された。
正直な感想はいらないしかなりダサい。

「困ったら助けてって言っていいから」


一星はそのまま車の窓を閉めると行ってしまった。言いたいことだけ言って去るなんてどれほど自由なんだろう。


「今の男は誰だ?」


ゾッとして振り返ると男がいた。
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