闇夜の星
そのまま腕を掴まれると抵抗なんて無駄だと思う。どんなに頑張っても男の力になんて敵わない。


「反省すれば家のことをやらせてやる
さっさと役に立つようになれ」


また例の場所に閉じ込められた。暗いだけなのにそれだけで手は震え出す。

深呼吸をして落ち着くように自分をなだめた。大丈夫、いつもと同じ夜。何も起こらない。


ふとポケットに入っているものに手が当たった。一星がくれたキーホルダーか。
出してみたけど暗闇では見えもしない。ほらね、暗闇にいる人間はいないのと同じ。

暗闇は全てを飲み込んで無かったことにするんだから。


━━━━━ピカ━━━


急な灯りに驚いた。にわとりなのかぶたなのかよく分からないようなものの腹部を握ると明かりがついた。


暗闇なのにハッキリとその姿はわかって頑張って自分の存在を周りに伝えているようだ。


あたしは努力した?周りにわかって貰えるように。諦めた方が楽だと自分に言い聞かせてるだけじゃないだろうか。·····助けは求めた。でも助けては貰えなかった。だったら諦めるしかないじゃん。


〘かならず助けるから 〙


一星の言葉が頭の中に流れ込んできた。かならずなんてないって知ってる。嫌いな奴って今だって思ってる。だけど信じてしまいそう。

諦めなければ自由が手に入るかな。








一日目は何とか過ごせた。部屋を出たって家で家政婦みたいに働かされるだけ。耐えるんだ。こき使われる一生なら死んだ方がきっといい。

全てを諦めて言ってるんじゃない。自由を諦めないためにあたしはここを動かない。


昼間に誰もいないのはわかっているから試しにドアノブを握ったけど扉の前になにか重いものが置かれてるんだろうな。開いてくれそうにもない。
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