闇夜の星
脱出は不可能。····いや、そもそも脱出してどうするんだ?この家にあたしの居場所は無いし見つかればまたこの場所に戻されるだけ。だったら外に出るしかないけど未成年のあたしが言うことなんてあいつら大人に上手く丸め込まれて終わるだけ。
扉は重いし、窓は無い。逃げた先に安全な場所すらないんだからやっぱりどうにもできないんだ。
でも⋯、あたしの存在を1人だけ知ってくれてる。好きじゃないけど今のあいつは嘘なんてついていないし、助けてくれるかもしれない。
諦めるな。諦めるな。諦めちゃダメだ。
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「宅配便です」
「いつも助かるわ」
そんな会話が聞こえてきて自分がうたた寝していることに気がついた。座ったままだったから体が痛い。ここじゃまともに横にもなれないから仕方ないけど。
「そろそろこの家の為に働く気になったかしら?」
「トイレに行かせて」
まともな水分も貰えないしトイレに行く自由すらない。散々な人生だ。
「宅配便でーす」
「また?」
トイレに行ってまた物置に戻される時、数分前に来た宅配便はもう一度来た。
女も不思議に思っている様子。
ていうかこの声って⋯
「どうもー葉月さん?にもお荷物があったみたいですみません」
「珍しいわねあの子に荷物なんて」
あたしを押し込むより先に玄関を開けた女。そしてその隙間からは帽子を被った宅配業者が見えた。⋯どういうこと?
そこには一星に似た人物のように見えた。他人の空似?そんなわけないか。
どう見たって一星だった。どうやってあたしの住所を調べたのかと想像するとゾッとした。
いや、場所は知ってたんだからマンションの部屋番号だけか。あたしの苗字は書かれてないと思うんだけど。
「部屋番号で気づけたんですけど苗字が記載されていないと他の同業者だと見落としちゃうかもしれないんで記載することをオススメします」
「あぁ⋯、いいんですよ
届かなくても困りませんから」
いなくていい存在。誰かから届いても迷惑なだけだもんね。
あたしの荷物は全て邪魔だから。
「そうなんですか?おっと、次の荷物運ばないと叱られる
失礼します」