闇夜の星
朝起きると不器用なおじいちゃんが作ってくれた朝ごはんがあって、『味がしない』なんて言いながら味噌汁を飲む。
それからおじいちゃんは家事をしてるからあたしも手伝った。休みなさいって言われるけどこの方が落ち着いた。

コタツでごろごろして、少し散歩に行って、お風呂に入って、眠くなればそのまま就寝。そんな日が3日続いたあと、おじいちゃんはあたしに封筒を渡してきた。


「これって?」


どこか遠くを見ているような目をしたあと、あたしを見て微笑んだ。


「婆さんがな、遺しとったんだ」




『冬花がいつか私たちを頼ってお金がかかるかもしれないでしょう?
たとえば親と喧嘩して家出したとか、こっそり彼氏と旅行に行きたいとかあとは····ひとりぼっちになった時
その時、役に立てなくちゃあの子のおばあちゃんやってる意味ないですからね』



いつの日か、人の役に立つのが性分と言っていた。心配性だから色んなことを考えていてくれた。おばあちゃんはずっと大切に想ってくれていた。



「いいのかな、頑張って貯めたお金貰っちゃうなんて」

「冬花のためじゃけん、じいちゃんが使ったらあの世で呪い殺される」

「えぇ、おばあちゃんが呪うの?」

「自分が犯人なんてバレたくないけん、こっそり念で殺しにくるわ」


頭の中でおばあちゃんが藁人形を握ってるのを想像してしまった。温厚なおばあちゃんには似合わなさ過ぎてぶはっと息を吐いた。


大切に使わせてもらうね。ありがとう。


胸がほんわか暖かくなる。


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