闇夜の星
一星からの答えがどんな内容なのか少し怖い。そう思ってる自分がいちばん怖かった。


こいつのことを嫌いだって誰よりもあたしが知ってるのに。心はこいつを信じたいと思ってしまってる。



「好きだから·····って言ったら驚く?」


「は?」


「なーんて、あの時言ったじゃん
綺麗な世界を見せたかったんだってば

鎖を引きちぎって出てきた世界は結構優しかったでしょ?」


あたしを見ている一星の後ろには大きな夕陽が見えている。こんなのまるで映画のワンシーンじゃん。無駄に顔だけいいし。



こんな時にしか言えない言葉だってある。




「うん、優しいし楽しい
ちぎってくれてありがと」





あーあーあー失敗、大失敗!絶対に顔赤いし、恥ずかしいし、ムカつくし!


一星に出会ってから感情が忙しい。



「素直ー可愛いねぇ·····ゴフッ」


手に持っていたカバンをそのまま腹へと飛ばした。


「これ、葉月ちゃんの必殺技なわけ?前にもやられたんだけど」



「護身術」



「八つ当たりにしか見えないんですけど!」





世界一大嫌いなはずだった。あの日から一星を世界で一番嫌いになった。母親のことも、世界のことも。だけどそれ以上に嫌いなものがあれば少しはマシになるって思ってたのに、あいつの事を嫌いじゃなくなったらあたしの過去はどこにたどり着くんだ。




「あたしの過去って何のためだったんだろ」



なんのためにあんなに辛い思いをして、なんのために世界を嫌いになって、なんのためにまだ生き続けているんだろう。



一星がいることなんて気にせずに思わず声に出ていた。



「決まってるじゃん
俺に出会うためでしょ」



「それだけは無い」



答えに呆れてそのまま家に帰った。
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